職場復帰は、本人の意見を聴き、医師の意見を踏まえて、十分に話し合いながら進めるのが基本です。復職の可否を決める基準や段階的に戻す手順については、はっきりした根拠はまだありません。
資料で確かめられる、就業上の措置の考え方
ストレスチェックの面接指導のあとの就業上の措置について、法令と指針に次の定めがあります。休職からの復帰を考えるときの参考になります。ただし、これは面接指導のあとの措置についての定めで、休職全般の復職ルールではありません。
- 事業者は、面接指導のあと遅滞なく、就業上の措置について医師の意見を聴きます(労働安全衛生法 第66条の10 第5項)。
- その意見を勘案し、必要があると認めるときは、就業場所の変更や労働時間の短縮などの措置を講じます。措置を講じない場合も、医師の意見の衛生委員会等への報告その他の適切な措置を行う必要があります(労働安全衛生法 第66条の10 第6項)。
- 指針は、措置を決める前に本人の意見を聴き、十分な話し合いを通じて了解が得られるよう努めるとしています。改善が見られたら通常勤務に戻す、とも書かれています(ストレスチェック指針 8(5))。
医師の意見書と、休業中の扱い
指針は、就業区分を通常勤務・就業制限・要休業の3つに分けています。要休業は、療養等のため、休暇又は休職等により一定期間勤務させない措置です。
医師の意見書については、指針が「診断名、検査値若しくは具体的な愁訴の内容等の加工前の情報又は詳細な医学的情報は事業者に提供してはならない」と定めています。職場に伝わるのは就業区分と、必要な措置の内容・理由です。
また、長期の病休者には、ストレスチェックを実施しなくても差し支えないとされています(厚生労働省のQ&A Q3-7)。
根拠がある話と、はっきりしない話
本人の意見を聴き、医師の意見を踏まえて話し合うという考え方は、上の法令と指針に書かれています。
一方で、復職してよいかを決める基準、勤務を段階的に戻す具体的な手順、その期間の目安については、はっきりした根拠はまだありません。この記事で使える厚生労働省の資料では、確かめられませんでした。研究で示されていると言える内容も、ここでは扱えていません。個別の判断は、主治医など医療の専門家の意見を聴いたうえで、本人と話し合って進めてください。